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お茶屋の長男にインタビュー「こだわりのべにふうき紅茶」


お茶屋の長男にインタビュー「こだわりのべにふうき茶」

日本国内でも有数の緑茶の産地である静岡県。
その中で紅茶にも力をいれている農園さんがあります。
山深い川根町の高田農園さん。
今回は農園六代目となる長男の高田紘介(こうすけ)さんに “お茶屋の今”を訊ねます。

インタビュアー:近江奈緒

ー お茶屋の四季折々 ー

Oこういうインタビューってはじめてですか?Tもちろん。緊張しちゃいますね。

高田紘介さん

Oではでは早速。東京では、 “日本百貨店しょくひんかん” ではじめて商品を販売されましたけど、地元との違いってあります?Tやっぱり県民性です、地域にお茶が根付いてるかどうか。まず、東京のお客さんは静岡の川根町ってどこだかわからないと思います。そういうところからお話するんです。静岡のお客さんなら、日常的に「地元のお茶を飲む」という習慣があるんですよ。昔から飲んでいる地域のお茶を、ですね。O東京へ出てこられたのは?Tうちは畑の製法が変わっていて、そこから注目してもらって静岡のアンテナショップさんに東京でやってみない?と声を掛けてもらえたんです。

自然仕立ての畑

一般的な狩りやすいかまぼこ型ではなく、手摘みの自然仕立ての畑O今年の収穫はいかがでした?T今年はタイミングが悪かったです。春に霜でかなりの芽が抑えらちゃって。きれいに生え揃わないと収穫が難しくなってしまうんです。早くとりすぎると霜の影響がなかった葉しかとれないですし。
今年は氷も降ってしまって、僕の車も塗装禿げちゃいました。

茶の芽

O傷を見る度に思い出しちゃいますね。Tまったくです。O春は1番茶の季節ですけど、お茶屋さんの1年ってどういうサイクルなんですか。T

まず1番茶は4月中旬から5月終盤くらいまでかかるときもあります、山の方は寒いので。今年は5月末日までかかってしまいました。川根は大井川、水場が近くにあるのと寒暖差がしっかりとあるので品質の良い茶葉がとれるのですがその分生産量も少なくて。

今年は苦戦です。生育に悪いのは、春先に一時的にあったかくなってその時に芽が出て、そこから気温がぐっと下がってそこから芽が育たなくなってしまうこと。夜霜がおりるともう、みんなで夜回りするんです。
茶の芽って非常に弱くて。いつとるか、量がとれなすぎても採算とれないし、成長をまつと葉が固くなってしまうしで摘む時期は悩みましたね。
収穫になると近所のおばあちゃんたちと一斉に摘むんです。

手摘み

O大勢いらっしゃいますね!Tそう、もう一気に摘んでしまいます!それから夏場は2番茶を作り、9月頃から秋摘み。11月になったらオフシーズンで。
11月からはとっても暇になります。そこでうちは副業をするんです。四代目の祖父の趣味もありますが、やまめの養殖やわさび栽培、ブルーベリー農園だったり。Oそんなに副業を!Tわさびなんかはものすごい山奥でやっていて、まず車で45分。その後ゴンドラに乗って20分かかるんです。しばらく放置していると鹿の巣になってたりします。

高田農園のわさび

近くの料亭でも評判!高田農園のわさび

ー 高田農園のこだわり ー

Oこれっ!という高田農園のこだわりって?T

作り方。生葉を穫って蒸す工程、まず蒸し方ですね。

うちは個人で工場をもっているんです。普通は何人かの農家さんで一緒に共同工場を持つんですけど。
そういうところは全ての工程を当番でやるんです。そうするとそれぞれの品種に合わせて蒸すのは難しいんですよ。Oそこが重要なんですか?T味を大きく左右するのは蒸し方なんです。その時の葉っぱの固さ、厚さやらが関わってきます。
大きい工場では味を均一にするために最新の蒸し器で何秒とか何回転とか決まっているみたいなんですが、うちはすべて手作業。ぼくも祖父から小学生くらいから叩き込まれました。
昔から品質が良い葉がとれ、蒸葉にするといつも祖父に呼ばれて。
においをかいで手で触って良質な茶葉を感覚を憶えるんです。そうしてうちの基準の味に出来る技術を学んでいきます。祖父は「塩梅の世界」って呼んでいますね。O代々の技術なんですね!Tそう、お茶と一緒に育っていくんです。それで祖父のこだわりに触れる機会が多くなります。
昔ながらの方法だけでなくて、新しいことを始めることが好きで。新品種もたくさん育ててます。
うちには祖父の「たからもの農園」という試作園があるんです。家族で少しふざけて呼んでいるんですけど。
最近はサンルージュっていう品種を試してます。

サンルージュ

赤い茶の芽のサンルージュOべにふうき紅茶をはじめたのも新しいことに挑戦して?T紅茶をはじめたのは前にNHKさんから「1本の木から緑茶と紅茶、烏龍茶を作る」という企画のお話があって、やってみたんです。もともと55年前に祖父が試験農場で紅茶を作る研究をしていたこともあって。
今は京都大学の先生と一緒になって紅茶を開発してます。でも痛烈なダメだしをくらったこともありましたね。
紅茶にはまだ日本にこれっという手法がないんです。基本は一緒なんですが。これから全ての工程を改良、追求していかないと、そう思っています。

べにふうき紅茶

Oお茶屋の六代目としてはこれからをどう考えてます?T緑茶は県外からも昔からのお客さんが多いんです。だから今あるいいものをずっと残していきつつ、この時代に合ったものを作りたいって思ってます。気候も変わってくるんで、自然との闘いです。
紅茶はもっと技術を磨いて、主軸で頑張ってロンドンのコンクールを目指します。
最近はイギリスからのお客さんも農園にきてくれたりしてて。以前のように紅茶を日本が輸出出来るよう頑張ります!

高田紘介さん

すっかり “六代目”の表情で語る紘介さん。高田農園のこれからが楽しみだ。

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